調査が示した数字——小規模建設業者の見積・請求デジタル化は21.4%

合同会社ソウルグッド(現場TECH)は2026年9月25日、「建設業バックオフィスDX実態調査・第一弾」のプレスリリースを公表しました。建設業に従事する300名を対象としたインターネット調査で、見積・契約・請求業務のデジタル化の実態を調べたものです。

調査の中心的な結果が、企業規模によるデジタル化の差です。

企業規模「70%以上デジタル化」の割合
小規模(1〜49人)21.4%
大規模(300人以上)64.2%

大規模企業の64.2%に対し、小規模企業は21.4%。3倍近い開きがあります。

見積作成ツールの内訳も注目です。最も利用されているのはExcel・スプレッドシートで42.3%。これは2位以下を大きく引き離す首位です。一方、見積・受注・請求のデータが「ほぼ自動で連携している」と答えたのはわずか13.0%にとどまりました。

デジタル化が進まない最大の障壁として挙げられたのが、「取引先・現場ごとに異なるルール」(36.0%)です。大手ゼネコンや元請けからの書式指定、現場ごとの金額体系の違い——これらが標準化を難しくし、Excelや紙での個別対応が続いています。

なお、今後1〜3年以内のシステム導入・見直しを「導入中・比較検討中・関心あり」と答えた割合は44.0%あり、課題意識は高まっています。

建設業だけの話ではない——貴社に当てはまる3つの課題

この調査は建設業を対象としていますが、浮かび上がった課題は製造業・卸売業・サービス業でも同様に見られます。「取引先ごとの書式が違う」「見積と請求が別ツール」「担当者しか知らない」——この3つです。

課題1:取引先ごとに書式が違い、転記と確認が重なる

A社にはA社の見積フォーマット、B社にはB社の注文書様式——個別対応が続くと、ファイルの数だけ転記作業が発生します。品番・数量・単価のどこかで入力ミスが起きても、すぐには気づけません。確認工数だけで月に何時間も取られている会社は珍しくありません。

課題2:見積と請求が別ツールで、金額ズレと入金確認が手作業になる

Excelで作った見積の数字を、請求ソフトに再入力する。この二重入力が金額ズレを生む温床です。さらに、請求した分が実際に入金されたかの確認も「通帳と照らし合わせる」手作業になりがちです。月末に処理が集中して残業が増える、という状況の根本にはこの構造があります。

課題3:担当者しか知らない状態が、退職・交代リスクを高める

「あの取引先はExcelのどのフォルダに入っている」「このお客さんは掛け払いで月末締め翌月末払い」——こうした知識が特定の担当者の頭の中にしかないと、その人が抜けた瞬間に業務が止まります。建設業バックオフィスDX調査でも「取引先・現場ごとの運用差異」が最大の障壁として挙がっているように、仕組み化できていない部分ほど人に依存する構造になっています。

自社で確認できること——見積〜請求の流れを点検する7項目

システム化を検討する前に、現状の流れを確認しておくと整理がしやすくなります。

#確認項目注意サイン
1見積はどのツールで作っているかExcelや手書きで、金額・品番の転記が発生している
2見積の数値が受注管理・請求書と自動連携しているか連携していない場合、手入力のミスリスクがある
3取引先ごとに異なるフォーマットに個別対応しているか専用対応のファイルが乱立し、属人化が進む
4受注後の請求書はどこから作るか見積と別ツールであれば、金額ズレのリスクがある
5請求書ごとの入金確認は手動か手動の場合、未入金の見落としが起きやすい
6見積〜請求のデータを管理できる人は何人か1人だけの場合は属人化のリスクが高い
7月末の請求処理にかかる時間はどれくらいか10時間を超えているなら自動化の余地がある

1〜3に「はい」が重なる場合、転記ミスや確認工数が積み重なっている可能性が高い状態です。

受注から請求をシステムでつなぐ3ステップ

「全部いちどにシステムへ」という移行は、特に中小企業にはリスクが大きくなります。まず1つの業務・1つの取引先を対象に小さく始め、動くことを確認してから範囲を広げる——これが移行コストを抑えながら定着させる現実的な方法です。

ステップ1:まず1業務・1取引先から始める

最初のスコープは「最も処理量の多い取引先1社の見積と受注管理」に絞ります。既存のExcelデータをシステムに取り込みながら、2〜3ヶ月は並行運用します。この期間に「Excelとシステムの数字が一致しているか」を確認することで、移行の精度を担保できます。

スコープを最小化することで、担当者の学習コストも下がります。「全員が使えるか」を考える前に「まず1人が使いこなせるか」から始めるのがポイントです。

ステップ2:見積・受注・請求をシステムでつなぐ

ステップ1が定着したら、見積で入力した品番・数量・単価をそのまま請求書に引き継ぐ連携を実装します。ここがシステム化の核心です。再入力ゼロ、金額の一致を自動保証する状態を作ります。

取引先が「Excelで送ってほしい」という場合も、システム側でExcel形式にエクスポートできる設計にすれば、社内管理はシステム、送付はこれまで通り、という使い分けが可能です。取引先側への変更依頼なしに移行が進められます。

この段階で、担当者の頭の中にあった「あの取引先の掛け払い条件」「この現場の単価体系」をシステムのマスタに落とし込みます。ここが属人化の解消につながります。

ステップ3:入金確認・リマインドを自動化する

請求書を発行した後、入金されたかどうかの確認が手作業になっているなら、ここを自動化します。銀行口座の入金データと請求書を突き合わせて未入金を検出し、期日が近い請求について担当者に通知する——この仕組みがあれば、月末の確認作業が大幅に減ります。

建設業では工事単位で入金条件が異なることも多く、これを手作業で追いかけるのは負荷が高くなります。条件をシステムに登録しておけば、例外を除いて自動で消込・確認が完結します。

よくある質問

Excelで管理していますが、急いでシステム化する必要がありますか?
急ぐ必要はありません。まず「見積と請求の数値が一致しているか確認する工程が発生しているか」を確認してください。入力ミスや確認工数が月に数時間以上あるなら、スモールスタートで自動化できる余地があります。
取引先が「Excelで送ってほしい」と言っています。システム化しても対応できますか?
できます。システムで管理しつつ、取引先向けにExcel/PDF形式でエクスポートするように設計できます。社内はシステム、送付先はこれまで通り、という使い方が現実的な移行ステップです。
建設業や特定業種向けのパッケージソフトがあります。なぜ受託開発を検討するのですか?
パッケージが業務にフィットすればパッケージを選ぶほうが初期コストを抑えられます。受託開発を選ぶのは「取引先や現場ごとのルールが特殊すぎてパッケージに合わせられない」「複数の既存システムと繋げたい」「特定の帳票や計算ロジックをそのまま使いたい」場合です。
現場担当者もスマートフォンで使えますか?
現場での利用を想定した場合、Webベースのシステムであればスマートフォン対応が可能です。現場で発生する情報(工事・作業単位の実績)をスマートフォンで入力し、事務所の請求書作成に自動連携する設計も対応できます。

出典:合同会社ソウルグッド(現場TECH)「建設業バックオフィスDX実態調査・第一弾」プレスリリース(2026年9月25日)
https://kensetsu.gemba-tech.jp/research/survey-backofficedx-01/
PR TIMES プレスリリース(2026年9月25日)

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株式会社DnDは、見積・受注・請求管理を一本化する業務システムの受託開発を行うDX/AX(AIによる業務変革)パートナーです。

  • 見積・受注・請求管理システムの開発:Excelで管理している見積・受注・請求データをシステムに移行し、取引先ごとの書式出力・入金消込・未入金通知まで一気通貫で構築します。
  • 既存データのDB移行:長年Excelに蓄積されたマスタデータ・取引履歴を整理し、新システムへのインポートを支援します。
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