「動画を作りたいけど高い」の正体は何か
動画制作を外部に発注すると、30秒〜1分の販促動画で数十万円の費用が発生するケースは珍しくありません。撮影・編集・ナレーション・BGMライセンスなど、完成品には多くの工程が含まれており、その積み上げがコストになります。
一方で「毎週SNSに投稿したい」「採用ページに動画を置きたい」「展示会用にデモ映像が欲しい」といった需要は、中小企業でも増えています。コストと需要のギャップが、「動画があれば、でも作れない」という状況を生み出しています。
生成AIで、何ができるようになったのか
2025〜2026年にかけて、テキストや静止画から動画を生成できるAIツールが複数のサービスで実用段階に入りました。主な変化は次の3点です。
- テキストから動画を生成できる:「〇〇な映像」と日本語で書くだけで、数秒〜数十秒の動画クリップが出力される。
- 静止画を動かせる:商品写真やロゴ画像を入力すると、自然な動きのついた映像に変換できる。
- AIナレーション・字幕も自動化できる:テキスト読み上げの品質が向上し、ナレーション収録の工程を省けるケースが増えている。
これらを組み合わせると、「スクリプト(台本)→映像生成→ナレーション→完成」というフローを、社内で一定のクオリティまで完結させられるようになっています。
どんな動画から内製化を始めるか
すべての動画をAIで内製化しようとすると失敗しやすいです。「型が決まっていて、繰り返し作るもの」から着手するのが現実的です。
- SNSショート動画:15〜30秒の短い尺なので品質確認がしやすく、数を作る必要があるため内製化の効果が大きい。
- 商品・サービスの紹介動画:静止画+テキストで構成できるため、AIとの相性が良い。製品スペックや特徴を伝えるだけなら十分なクオリティが出やすい。
- 採用向けの会社紹介動画:社員インタビューなど人が映るコンテンツはまだAIが苦手な部分が多いが、会社の雰囲気やオフィス紹介など「見せ方」の動画はAIで補えるシーンが増えている。
重要なブランドの動画は専門家に、繰り返し量産するコンテンツはAIに——役割を分けるのが現実的な方針です。
内製化の進め方
動画の内製化は、次の4つのステップで考えると整理しやすいです。
- ① 「型」を決める:作りたい動画のジャンル・尺・構成パターンをあらかじめ決める。毎回ゼロから考えないために「テンプレ」を作ることが継続の鍵。
- ② スクリプトをAIで下書きする:生成AIにシーンの説明文(プロンプト)を書かせたり、台本を作らせたりすることで、人が書く工数を削る。
- ③ 映像・ナレーションを生成する:AI動画ツールにプロンプトを入力し、クリップを出力。AIナレーションか録音済み音声を合わせる。
- ④ 確認・公開のフローを決める:AIが生成した映像は誤りや不自然な箇所が含まれることがある。公開前に人が確認し、修正・再生成するフローを組んでおく。
気をつけること
生成AIで動画を内製化する際に、事前に確認・整備しておくべきポイントがあります。
- ツールの利用規約(著作権・商用利用)を確認する:生成物の権利はツールごとに異なる。商用利用が許可されているプランを選ぶ必要がある。
- ブランドトーンを統一する:複数のAIツールを使うと、動画ごとにテイストがバラバラになりやすい。色・フォント・ナレーションのトーンに関するガイドラインをあらかじめ設けておく。
- フィールドを絞った小さな試験から始める:いきなり公式サイトのトップに使う動画をAIで作るのではなく、SNS投稿など反応を見ながら調整できる場所から試す。
まとめ
動画制作の内製化は、以前は高価な機材や専門スキルが前提でした。生成AIの登場で、そのハードルが大きく下がっています。「型を決めて、量産するコンテンツ」に絞れば、中小企業でも現実的な投資で内製化の仕組みを作れます。最初から完璧を目指さず、小さく試して少しずつ広げる——それが、続く内製化のコツです。
よくある質問
生成AIで作った動画の著作権はどうなりますか?
動画制作の専門知識がなくても使えますか?
どんな動画から内製化を始めるのがよいですか?
AIで作った動画はクオリティが低くないですか?
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